Xavier Dolan's Comment

私は映画監督ですが、意識としては「俳優業」が一義的です。ただ待っていてもやりたい役のオファーが来ないので自分で自分に役を与えるために監督になったのです。『神のゆらぎ』ではエホバの証人のカップルを演じていますが、いままで演じたことがない新しい役どころだったので、ぜひやってみたいと思いました。役者というものは常に新しい演技を探求する性分なんだと思います。特に今回の役では、宗教の制約から恋人にさえ輸血を拒み死ぬことをよしとするとても難しいキャラクターですが、彼には彼の考え方があって、それを頑なに信じている男なのだと思います。僕にはそんな彼が「とても愛おしい人間」と思えるのです。エホバの証人という宗教心については、とくに感じるものはありません。エホバはホモセクシャルを禁じている宗教ですが、この登場人物を卑下しているわけでもなく、ただ彼の皮膚と自分を同化させるだけだ、と捉えています。僕自身、幼い頃に厳格なカソリックの叔母に連れられて教会へ通っていた経験があることから、何かを強く信じる人間の心について理解がある方だと思います。ですから信仰心がある人間を演じるのは僕にとって難しいことではありません。人が何かを信じるということの意味は理解しているつもりです。

Introduction

新世代のゲームチェンジャー、グザヴィエ・ドランが出演を熱望。

『Mommy/マミー』でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞、また最新作『IT'S ONLY THE END OF THE WORLD』が、第69回カンヌ国際映画祭のコンペ部門に正式出品され、今もっとも勢いのある若手実力派監督であり自身も俳優として活躍めざましいグザヴィエ・ドランが、「今までやったことがない役どころだったので、ぜひ演じてみたいと思った」と出演を熱望した、秀逸な脚本によるサスペンスタッチのヒューマンドラマ。

Story

時に人は、ただ奇跡が起きるのを待つしかない。

ともにエホバの証人である看護師と、末期の白血病を患うフィアンセ(グザヴィエ・ドラン)。老境にありながら情熱的な不倫を続ける、バーテンの男とクロークの女。互いへの失望を偽りながら暮らす、アル中の妻とギャンブル狂の夫。そして取り返しのつかない過ちを償うためドラッグの運び屋となるひとりの男……。複数のものがたりが現在と過去を往来しながら、終着点—墜落する運命にあるキューバ行きの機内へと向かう…。

私の選択が、知らない誰かの運命を変える。

彼らは気づかない。自分の決断が思わぬところで、他人の運命を変えてしまっていることに。正しい選択とは何なのか。人間に許された最良の決断とは?

ブリッジ

Cast & Staff

  • エティエンヌ・シマー|グザヴィエ・ドラン
  • エヴァリン|アンヌ・ドルヴァル

マーティン:ロビン・オベール|ジュリー・ボドリー:マリリン・キャストンゲ|マデリーン・シマー:ヴィオレッテ・ショヴォー|キム:サリアン・コーミエ|マイケル・ボドリー:シルヴァン・マーセル|レイモンド:ジュリアン・プーラン|シモン:ガブリエル・サブーリン|ルイーズの夫:ギルバート・シコッテ|メアリー:シンシア・トルーデル|ルイーズ:ルイーズ・ターコット|マキシム:ジャン=ニコラ・ヴェロール

『19-2』『Tum’aimes-tu?』『C.A.』『Les Bougon:C’est aussi ça la vie!』『Minuit, le soir』『Au nom de la loi』『3 X rien』といった作品の共通点とは何か。答えはそのすべてが大成功を収めたテレビシリーズであり、ダニエル・グルーまたの名を“Podz”という一人の男が監督しているということだ。ダニエルは他にも『ザ・ハンガー』や『Drop the Beat』、『Vampire High』、『ハイスクール・ウルフ』といった英語版テレビシリーズの監督も務めており、ここ数年間でジュトラ賞(カナダ・ケヴェック州の映画賞)やジニー賞(カナダのアカデミー賞に相当する由緒ある映画賞)に複数回ノミネートされる。ジェモー賞(カナダのフランス語テレビ番組を対象とした賞)も7回受賞している。2008年には長編映画デビュー作となる『7 DAYS リベンジ』を監督し、同作は2010年のサンダンス映画祭でプレミア上映された。前年の2009年には社会派ドラマの『10 1/2』を監督。国内外合わせて もの賞にノミネートされ、マンハイム・ハイデルベルグ国際映画祭ではグランプリに輝いている。2012年9月公開の『L’affaire Dumont』に次いで2014年に製作された本作『神のゆらぎ』は、今をときめくグザヴィエ・ドランがその脚本に惚れ込み、出演を熱望した作品だ。出演のロヴィン・オヴェールは、カナダのジュトラ賞の助演男優賞にノミネートされている。
プロデューサーのピエール・エヴァンは、Malofilm Distribution and Productionのビジネス兼法務担当責任者として映画界でのキャリアを始動。ジャン=マルク・ヴァレ監督の『C.R.A.Z.Y.』(2005年公開)も彼のプロデュース作で、同作はカナダ国内だけで620万ドル(約6.2億円)以上の大ヒットとなる興収を上げ、2005年のゴールデンリール賞(カナダ国内でその年のヒット作に送られる映画賞。現在はゴールデンスクリーン賞を名称が変更となっている)を受賞。世界中で51の賞に輝き、85か国で配給された。2007年夏に公開されたアラン・デロシュール監督の『ニトロ』は公開初週、ハリウッドの大作群を押さえて興収120万ドル(約1.2億円)の大ヒットを記録。セバスチャン・ローズ監督の『The Banquet』(2009年8月公開)も批評家の高い評価を集めた。パトリック・セネカルのベストセラー小説を映画化した、マーク=アンドレ・グロンディン主演、エリック・テシエ監督による『チェックメイト』や、オンタリオ州との合作によるマシュー・クリンク監督の『Hank and Mike』や、人気コメディアンのステファン・ルッソを主演に迎え、ステファン・カザンジャンが監督した、フランスとの合作による『Modern Love』といった作品の共同プロデュースも行っている。
マリー=クロード・プーランは、トロントのNorstar Releasingの国内外営業担当ディレクターとして映画界でのキャリアをスタート。その後はモントリオールへ移り、Malofilmが新設した国際部門のトップに就任。買い付け担当責任者として、現地の映画プロジェクト開発に積極的に関わっていく。その後も映画業界でのキャリアを積み、Cinépix Film Properties(CFP)では国際営業部の責任者として同社のビジネスの一翼を担う。彼女が立ち上げた海外セールス部門はのちのLionsgate Internationalの前身となったほか、世界的大ヒットとなったインディペンデント系作品(『アメリカン・サイコ』や、ヴィンセント・ギャロの『バッファロー66』など)の世界的成功にも貢献しているプロデューサーだ。同社の運営拠点はロサンゼルスへ移転したが、プーランはモントリオールに残ることを決断。次いでMelenny Productionsへ移り、『Les Boys 3』ではプロデューサーのリチャード・グードゥローを積極的に支援。『Aftermath』ではエグゼクティブプロデューサーも務めた。『戦場のピアニスト』、『C.R.A.Z.Y.』、『ハート・ロッカー』といった印象的な作品を劇場へ送り込んでいる。
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